おはようございます。
昨年末ランニングの途中でコケて足首を捻挫し、さらにその際iPhoneの画面も割ってしまいました。
その修理申込の為に年始にドコモショップに行ったところ、待ち時間がなんと3時間・・・。昨年から積読になっていた本を一冊持って行ったのですが、読み終わる事ができてしまいました。
そんなに長くないし時間的にはサラっと読めますが、読後感は全然サラっとしませんでした。
そんな?本の勝手な感想と、なんとなく連想した思い出をつらつら書いてみたいと思います。
感想は説明がなく不親切な割にネタバレしまくりなので、適宜スキップしていただければ幸いです。
本の紹介(概要)
村田沙耶香さんの「コンビニ人間」は2016年に芥川賞を受賞した作品で、見覚えのある方もいらっしゃるかと思います。

- 作者: 村田沙耶香
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/09/04
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (8件) を見る
内容(「BOOK」データベースより)
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。
「現代の実存を軽やかに問う」・・・なかなかサラっと出てこないフレーズでした。
感想(説明なし・ネタバレあり)
・もしドラマ化するとしたら、
主人公→安藤サクラ
白羽さん→柄本佑
主人公の妹→仲里依紗
白羽さんの義妹→佐藤仁美
店長→ユースケ・サンタマリア
で、NHKの土曜22時の全4-6回位の枠でどうでしょうか。
・人間は、自分に理解できないものを「不気味」に感じてしまう・・・というのはおそらく自分の身を守る為の本能ではないだろうか。(実際、古倉さんの「焼き鳥」のエピソードや赤ん坊に対する感覚は「怖い」と感じてしまう。)
・ただ一方で、自分に理解できなかったり、価値観に合わない生き方を否定したり、「こちら側」に合わせるべき、と主張するのは傲慢としか言いようがないとも思う。
・ラストの方で主人公たちに対して向けられた「バイトと無職で、子供作ってどうする」「遺伝子残さないで」「それが一番人類のため」等などのセリフは「きつい」と感じた。
・・・けど、人類云々はぴんと来ないけど、自分は白羽さんが気持ち悪すぎて「子供は作らない方が」と確かに思ってしまった。
・・・けれども、自分も気づいたら「世間」から否定されがちな側にいて、自分が「普通」と思っている事がNGな行いとみなされる日が来るかも知れない。それが不寛容(イントレランス)な社会の怖さなのでは。
・ラスト、主人公が「コンビニ人間」として覚醒する(?)シーン、私はとても「救い」を感じたけれど、人によっては絶望的な事なんだろうか。少なくとも白羽さんと一緒になるよりは生理的にOKな気が。
・作者自身に対する興味がかなり湧いてきた。
コンビニバイトの思い出
私も大学生の頃、家の近所で短期間コンビニバイトをしていた事があります。時間帯は朝6-10時の早番でした。
部活熱心な学生だったので、その時間ならバイト後学校に行って昼練に出て、夕練にも出られるのでそのシフトにしました。授業は・・・。
5時台に起きないといけないのでちょっと大変でした。
夕方や夜なら同年代の友達もできたかも知れないですが、やはりその時間帯は主婦の方が殆どで、同年代の友達はできませんでした。
印象的な思い出をまた箇条書きで挙げてみます。
・夏場でも、お弁当と一緒に熱いお茶やコーヒーを買っていく人は結構いた。
・必ず毎日ミニ羊羹を買っていく学生さんぽい人がいた。
・リーダー格のおばちゃんは店長も一目置く感じで、傍目にも他のおばちゃんから恐れられていた(たぶん、あまり好かれてもいなかった)。
・ある日、つい、ポケットに手を突っ込んだままボーっと考え事をしてしまった事があり、それをリーダー格のおばちゃんに注意された事があった。
それ自体は当然だし反省するべき事だけど、えっと思ったのが
「東大生だからって傲慢なんじゃないの?」と言われた事。
「ボーっとしてんじゃねぇよ!」だけでよくない?
その当時私はポケットに手を突っ込む癖があり、また、(これは今もだけど)何かとボーっとする事が多かった。
バイト自体は基本真面目にやっていたつもりだったけど、ふと暇になった時間帯にいつもの癖が出てしまった。
もしかしたら深層心理ではそういう意識があったのか。そんな深いものがあったとも思えんけど。
そっか、、ほんとにそういう「ステレオタイプ」な目で見られてしまう事もあるんだな。。という、社会勉強をした瞬間だった。
・同じコンビニの別のおばちゃんに「うちの子の勉強を見てくれないか」と言われて、そのお宅に行って家庭教師のバイトをした事があった。
そのお宅が割と散らかっていたこと(ごめんなさい)、その男の子(小学校の高学年くらい?)が賢そうな子だったのを今でも覚えている。
ただ、ふとそのお宅のドアをあけたままの奥の部屋の本棚の上に、「家にやってくる」系の宗教の本がざーっと並んでいるのに気づいてしまい、その瞬間はちょっと固まってしまった。
その後特に追加注文もなかったのでそこに家庭教師に行く事も無かったけど(コンビニバイト自体も時間が合わなくなって辞めた)、あの母子は今どうしているんだろう。
そんなこんな、まとまりなく思い出したのでありました。