おはようございます。
先日、こちらの記事にて「日経コンピュータ」2018年2月15日号「崩壊するオフショア開発」を読んだ旨を「気になるものがありましたら、"kwsk!"とお伝えください(笑)」と添えて書いたところ、えこさん(id:Alstroemeria) がkwsk!とコメントしてくださいました♪
内容の紹介だけだと短くなりそうだったので、蛇足で私自身の経験も書ける範囲で書いてみます!
えこさん、しょっちゅうIDコールさせていただいております・・・そろそろ「えこさん」で"(id:Alstroemeria)" と出るように辞書登録した方がいい気がしてきました。
☆お知らせ☆
先日から梅つま子さん(id:umet)が書いてくださっている、弊宅への「お宅訪問」記事がついに完結編を迎えます!
www.tsumako.com
こんなに盛り上げていただいてありがとうございます・・・ぜひぜひご覧くださいませ!
オフショアとは
こちらの記事が分かり易かったです。
employment.en-japan.com
(記事より引用)
IT業界では、情報システムやソフトウェアなどの開発業務を、海外企業や海外子会社に委託・発注することをオフショア開発といいます。
私が携わっていたのは開発業務ではなくその基盤となる「インフラ」の運用ですが、同様に中国など海外に業務移管をしておりました。
ちなみに私自身は仕事で現地に行った事はなく(向こうが来てくれる事の方が多かった)、中国メンバーの場合会話は基本日本語でした。
「崩壊するオフショア開発」内容まとめ(独断)
(雑誌リンク)
eb.store.nikkei.com
日経コンピュータ、我が家は図書館で借りています。費用もさることながら置き場所問題が💦
IT業界関連の情報がバラエティ豊かにつまっていて、読んでおいて損はないと思います・・・!(宣伝)
さて、2.15号のテーマは
崩壊するオフショア開発 コスト削減だけでは「行き止まり」
でした。
こちらの内容をまとめると以下のようになります。
※私の独断と偏見の為、また、他に興味深い記事が沢山ありますので、ご興味をもたれた方は是非雑誌をご覧ください。
・1990年代から、低賃金のIT労働者を求めてアジアでも「オフショア開発」は進んできた。
・拠点は主に中国だったが、近年中国全体の賃金水準が上昇し、「オフショア開発」からの撤退と縮小が相次いでいる。
・賃金と並んでオフショア人材不足の要因としては、日本企業が「不人気」になってきたとの背景もある(優秀な学生が中国のIT企業を目指すようになってきた)。
・ならばと近年ではベトナムやインドでのオフショア開発も進みつつあるが、いずれもやがて賃金上昇(→コスト競争力低下)・人手不足が発生すると考えられる。
・とはいえ日本国内での人材不足を考えると「オフショアをやめる」選択肢はない。
→ 「コストを超えたメリットを引き出す、新しいオフショアモデルの開拓」が求められる。
→ 複数の企業の成功事例の紹介。
例:
・「コスト削減」ではなく、「人材不足」対応としてのオフショア開発。
・部分的な業務移管ではなく、上流工程からオフショアで実施。
・海外の技術力を活かす。
・(リクルートの場合) 「コストメリット」を目標としつつ、短期的な成果を目指すのではなく長期的視野で投資。現地で「育てる」。
・日本側から現地にリーダーを送りだす際は、「PM」と「ビジネスアナリストリーダー」をそれぞれアサイン。 ← これ、日本では同じ人が両方やって超忙しい、という事よくある・・・
結論:道は険しいが甘い考えを捨てる所から始めましょう。
私自身の経験と雑感
記事にあるように、IT業界では昔から盛んだったオフショア化、私自身気づけば割と長いこと関わってきました。
詳しい事は書けないですが、その中で得た雑感を並べてみたいと思います。
・メンバーは優秀で貪欲な人が多い
日本語ができて、英語も少なくとも読み書き程度はでき、IT系の資格・キャリアがあり、日本での業務経験もある人も・・・そんな人が集まってくるのでそりゃ優秀だという話。
「仕事を途中でもおっぽりだすのでは」などと当初心配していましたが、特にリーダー層は責任感があり、懸命に働く人が多かったです。
先入観や勝手なイメージにとらわれてはいけない。
中には微妙な人もいたけど日本人の中でもいるよね、という話。
・女性が多い
中国では共働きが当たり前だからか、日本以上に女性が多かったという記憶があります。
・むしろ日本側で渡すものの欠落があらわになる
手順書化された定型業務・・・のはずが、実は書いていない「行間手順」が結構あったり。
これ、渡すといいつつそもそもいるの?みたいな手順もぽこぽこ出て来たり。
先に業務精査・改善をしてから渡すべきでは、というパターンもしばしでした。
・まずは自動化ではないか
オフショア化では手順書のある定型業務を移管する事が多いかと思いますが、オフショア化以上に「自動化」の方が望ましいのではないかと思います。
人間は必ずどこかでミスをするし、折角の人材を自動化できる業務に割くのはもったいないように思います。
自動化は万能ではないにせよ、まずは検討しておく事かとおもいます。
・まるっと投げる
一連の作業のうち一部を移管しようとすると、その前後の連絡等で結局日本側の工数もかかってしまいます。
また、部分で渡すと全体図が必ずしも見えず、モチベーションがあまり高まらないような気がします。
できるだけチェックも含めた全体の作業をまるっと移管するのがよいと思います。
・手順書も向こうに作ってもらう
こちらが作った手順書をそのまま渡すより、それを元に先方にアレンジしてもらう方がよいと思います。
というのは、日本側が作った手順書には思っている以上に「行間」がある事が多いからです。
慣れていないメンバーが作業するとミスしやすい箇所はハイライトする等、移管先のメンバーにとって使い易い手順にアレンジしてもらう方が品質面でもプラスでした。
・輸出管理法制関連がとにかく大変
これこそAIにでもやってもらいたいのですが。
ソフトウェアやデータについて輸出管理法制に抵触していないか調べるのがものすごく大変でした。
(兵器製造に関連する情報にアクセスできてはならない、等。)
みんなどうしているんだろうという感じ。
・メンバーの離職率が高い
と、よく言われていて実際高かったけど、一方的に非難しても仕方がない気もする。
・明確な基準が必要
日本人どうしの引継ぎでもそうですが、業務を移管できたかどうか明確な基準を作るのがとても重要でした(でないと、「やっぱりオフショアはダメじゃない?」みたいな雰囲気論に走ってしまう)。
・時にはビシっと言わないといけない
私はこれが下手でした・・・ダメな時はダメ、とちゃんと伝えないといけません。
・なんだかんだで人対人
文化的ギャップはありつつ、ウェットな表現ですが「一緒にやっていく仲間」という思いを持てた時はやっててよかったな、と思えました。
だんだんまとまりが無くなってきましたが、他の方が経験された「オフショア」ってどんな感じなのか興味深いです。
気づけば日経コンピュータからだいぶ離れておりました💦